たやすく書かれた詩

by 김용 posted May 25, 2021
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窓の外には 夜の雨がささやいて
六畳の部屋は ひとの国

詩人というのは悲しい天命であると知りつつも
1行の詩を書いてみるか

汗のにおいと愛のにおいの ふくよかに漂う
送ってくださった学費封筒を受け取って

大学ノートを脇に抱えて
老いた教授の講義を聞きにいく

考えてみれば 幼いときの友を
ひとり、ふたり、みな 失ってしまい

わたしは何を願って
わたしはただ、ひとり沈むのか

人生は生きがたいというのに
詩がこのようにたやすく書かれるのは
恥ずかしいことだ

六畳の部屋は ひとの国
窓の外に夜の雨がささやいているが

灯火をともして 闇を少し追いやり
時代のように来る朝を待つ 最後のわたし

わたしは わたしに 小さな手を差し出して
涙と慰めで握る最初の握手